令和4年(2022年)春彼岸は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、舞の披露は中止となりました。

 

 西勝彼岸獅子舞は会津美里町字西勝に伝承される獅子舞で、太夫獅子、雄獅子、雌獅子の三体で舞われる獅子舞です。毎年・春の彼岸の春分の日を中心に町内と西勝集落を踊り子、笛、太鼓など保存会員によって舞を披露しています。

 

 寛永3(1626)西勝集落が大火により全焼し、後、天明の大飢饉、その後の疫病によって村の人口が半減した寛政10年前後に、獅子の霊力にあやかろうと、火伏せと五穀豊穣、死者の供養のために、招致したものと伝えられています。

  

会津の彼岸獅子はエンターテインメント・興行として大変な人気で、ひいきの獅子団には熱狂的なファンがついたそうです。以前は会津地域に30数団体ありましたが、今では約7団体ほどに減少してしまいました。西勝の彼岸獅子は、昭和43年に会津高田町無形文化財に指定を受け、集落全土が保存会の会員となって今日に至っています。舞は代々集落の長男のみに受け継がれてきましたが、現在では地域の有志たちによって守り伝えられています。

小松彼岸獅子(会津若松市北会津)
天寧彼岸獅子(会津若松市)
本滝沢彼岸獅子(会津若松市)
下柴彼岸獅子(喜多方市)
中村彼岸獅子(喜多方市)
赤枝彼岸獅子(磐梯町)
西勝彼岸獅子(会津美里町)(2022年現在)

 

「獅子頭」や「衣装」、「振り付け」は各獅子団によって違いがあります。

戦前まで、旭、永井野、高田、冨川などの他、隣接する会津本郷町にも出動し彼岸入りから一週間、踊ったそうですが、現在はお中日(春分の日)の1日だけになっています。

その踊りは優雅なものもありますが、屈伸をくりかえすような体力を消耗する動作も多く、「筋肉痛でトイレでしゃがむこともできなくなる」とのこと。↓ これはキツそうです!

5、唄流しの歌詞

 参りきてこちのお庭を眺むれば 四方四形の枡形の庭(地)

 参りきてこちのお庭を眺むれば 黄金小草が足にからまる

 千早振るこちの社(屋敷)に松植えて 松もろともに氏子繁盛

 参りきて香の煙を眺むれば 天に昇りてむら雲となる

 玉すだれ上げつ下ろせしまた上げつ 陰の女郎花と見えけり

 この弓は神に召されし弓なれば 天に響きて弦音するらん

 この寺の煙は細けれど 天に昇りてむら雲となる

 誠にも関所結びの神なれば 雌獅子雄獅子を逢わせ賜えや

 この町は縦に十五里横七里 入りは良く見て出るに迷うな

 国やすく御民豊にわが獅子の 守りますものあらわなりけり

                          前田新著 西勝彼岸獅子舞考 (歴史春秋社)より